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競売手続きの流れ

ここでは競売手続きの流れをご説明します。まず、全体の流れをつかんでいただき、そのあと主な手続きのご説明をさせていただきます。ここでは、住宅ローンなどの借入の際に抵当権を設定し、抵当権が設定されているケースを想定しております。

手続きフロー

法的な正確さよりもわかりやすさを優先しております。それでも、専門用語が多く出てきますので、軽く読み流していただければ結構です。

各手続き

  • 1
    競売の申し立て

不動産に抵当権を設定した債権者(金融機関、保証会社など)が裁判所に不動産競売申立てを行うことです。

競売手続きは、不動産に抵当権を設定した債権者が、約束通りのローンなどの返済がなされなかったときに、裁判所を通じて不動産を強制的に売却する制度です。

競売の申し立てにも、債権額に応じて費用や予納金がかかるため、任意売却を検討する場合は、まず、競売の申し立てを「受ける前」に進めることがポイントです。

任意売却ができなくなるのではなく、交渉がむずかしくなる可能性があるということです。

(参考)不動産競売事件(担保不動産競売,強制競売)の申立てについて

  • 2
    差押え

不動産の競売の申し立てをした後に、債権者が知らないところで不動産を処分(売却など)されてしまうと、債権者は目的を達成できなくなる可能性があります。

よって、競売の申し立てと同時に、不動産の権利の移転(売却などにより)などができないように登記することになります。

  • 3
    担保不動産競売手続開始決定(通知その1)

債権者が競売の申し立てをし、裁判所に受理されますと、不動産の所有者のもとに特別送達(直接手渡しされ、受取の拒否ができません)により送られてきます。

この段階に行きますと、競売の手続きが完全にレールに乗ってしまいます。3~6カ月すると入札(期日)に進んでゆきますので、任意売却などの対応をする場合は、速やかに動く必要があります。手続きが進めば進むほど、競売の申し立てを取り下げることが更に難しくなってゆきます。

  • 4
    不動産の現状調査について(通知その2)

担保不動産競売手続開始決定の通知が届いた後、約1カ月しますと「不動産の現状調査について」の通知が届くことになります。

裁判所から任命された執行官、評価人(不動産鑑定士)などがお住まいなどの不動産にやって来て、競売のために現状を調査します。ここでは室内の写真を取られたり、誰が住んでいる(占有している)か、敷地の境界はどうなっているかなど様々なことを調査します。

この現状調査は、法的に強制力を持っているので、室内への立ち入りを拒むことはできず、執行官などは、鍵を取り壊してでも室内などに入り調査する権限が与えられています。また、場合によっては近隣の方に聞き取り調査をすることもあるようです。

現状調査の目的は「物件明細書」「現況調査報告書」「評価書」(通称「3点セット」と呼ばれています)を作成するためで、入札希望者への情報提供の資料となります。

これらの情報は最終的に、裁判所の閲覧室、新聞紙上、裁判所の運営するインターネットサイト(BIT|不動産競売物件情報サイトなどに公開され、誰でも見ることができるようになります。

(参考)BIT|不動産競売物件情報サイト

  • 5
    配当要求終期の公告

現状調査とほぼ同じような時期に「配当要求終期の公告」が行われます。

この、配当要求終期の公告の意味することは「公(おおやけ)に告げる」ことですので、債権者以外でも「誰でも知ることができる」状態になるということです。当事者(債権者と債務者)以外が「競売になるかもしれない」物件の所有者や所在地などの情報を知ることになり、電話や訪問、ダイレクトメールなどで様々な業者がアプローチしてくることになります。

抵当権を設定している債権者は、登記簿謄本で明らかですが、それ以外にもお金の返済を要求できる権利がある債権者(抵当権などの担保設定をしていない債権者、無担保債権者)がいる可能性があります。

配当の優先順位は抵当権を設定した債権者に後れることになりますが、公平性を保つために、このような手続きを行うことになります。

  • 6
    期間入札決定の通知(通知その3)

入札が行われる1~2カ月前ぐらいになると、期間入札(期間を決めて入札すること)の決定の通知書が、不動産所有者に届くことになります。いよいよ、入札が行われる最終段階といってよいでしょう。

  • 7
    期間入札の公告

さらに、入札が行われる1カ月ほど前から、「物件明細書」「現況調査報告書」「評価書」などにより物件の情報が公開され、裁判所、新聞紙上、インターネットサイトなどで、広く知れ渡るようになります。

(参考)BIT|不動産競売物件情報サイト

  • 8
    期間入札

物件明細書には売却基準価額、買受可能価額、買受申出保証額などの情報が記載されております。

売却基準価額は競売による様々なリスクなどが考慮され、一般的には市場価格から30%~50%を差し引いた金額となることが多いです。

買受可能価額(入札可能な金額)は売却基準価額の80%に設定されることが多く、また買受申出保証額は売却基準価額の20%に設定されることが多く、入札するには現金などを準備しないといけません。

  • 9
    開札

開札とは入札の封を開け確認することで、は入札期間の約1週間後に行われます。

競売はオークション方式ですので、最も高い価格を提示した方が落札(買受ける権利を得る)することになります。

入札者がいない場合は、売却基準価額などを更に低い価格に変えたうえで、同様の方法で期間入札が実施され、それでも落札されない場合は、特別売却という先着順の手続きになってゆきます。

  • 10
    売却許可決定

落札者がその不動産を買受けるのが適切かどうかを審査したうえで決定し、第三者の反論などがなければ、落札者が買受人として確定することになります。

 

  • 11
    代金納付

落札者が買受人に確定することになると、買受人には代金の納付義務が生じますが、一定期間後に代金を納付すると、裁判所は法務局に登記を嘱託し、所有権移転がなされます。

  • 12
    物件の引渡し(立退き)

買受人が代金を納付をした時点で、所有権は買受人に移転しております。

一定の猶予期間が設けられていますが、所有権のない建物にお住まいになっていると「不法占拠」とみなされ、強制的に退去させられてしまう可能性があります。最近では、競売制度の整備が進み、所有権移転と同時に「不動産引渡し命令」の申立てを行う買受人も多くなっています。(落札者が速やかに引渡しを受けやすくなるような整備が進んでおります。)

以上、担保不動産競売の手続きに関して一連の手続きを見てきましたが、競売の申し立てをした債権者は、残債に関して譲歩することが少ないので、結果として自己破産しか選択肢がなくなってしまうということになりやすいのです。

不動産問題研究所

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